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【住民説明会第1回まとめ】③谷中地区まちづくりルールの検討

お知らせ ご報告

説明会では時間がなく詳しくは割愛しましたが、参加者の皆さまには「谷中地区まちづくりルールの検討」と題した配布資料をお渡ししました。

ヒマラヤ杉一帯の話からは少し離れますが、これまでに谷中で作られてきた憲章、協定や不文律の紹介と、これからのまちづくりに向けた提言、まちを守るために行政と連携できる制度などの紹介をさせていただきます。


 谷中地区では、江戸時代より明治大正昭和と続く都市部住宅地の生活文化が培われてきました。路地や木造住宅の長屋や町家に住み合う中で、お互いを気遣い、踏み込みすぎず、困った時はさりげなく助け合う生活流儀、不文律が受け継がれています。
 これからの谷中の都市づくりは、ハード面からの防災まちづくりだけはなく、お年寄りから若い世代、子どもたちへ受け継がれる住まい方の流儀を活かす、谷中の生活文化にあったまちや住まいのつくりが求めてられている。その中では、歴史を経た建物や樹木等の安全対策や維持管理をしながら保存活用していく支援策も必要になっています。
 現在までに谷中のまちでつくられてきた作法集、まちづくり憲章、建築協定等のルールと、これからのまちづくりにむけた提言等と、谷中地区のまちづくりにむけて、活用できる法制度の一覧を紹介します。今後、地区町会連合会、谷中地区まちづくり協議会を通して、谷中のまちづくりの方向性を具体的に考えるとともに、台東区、東京都、消防・警察等のまちづくりに関わる関係諸団体にも協働・支援を呼び掛けていきます。

〈自分のまちは自分たちで守る〉自主まちづくり作法・ルール紹介
●谷中・上野桜木地区まちづくり憲章
 谷中・上野桜木地区まちづくり憲章は、谷中三崎坂のマンション計画見直しを機に、谷中らしい暮らしと環境を引き継ぐことを目指して、様々な地域団体や住民有志の協力により平成12年3月に制定されました。この動きを元に、同年、谷中地区まちづくり協議会が結成されました。
 
『谷中・上野桜木地区まちづくり憲章』
一.【自決権】 住民自身が町の現在と未来を考え、決めていくようにしましょう
一、【地域社会】お互いを気遣い、ふれいあいのある地域社会を築きましょう。
一、【環境・自然】私たちの生活する町の環境と自然を守りましょう。
一、【町並み】 歴史と文化のある町にふさわしい町並みをつくりましょう。
一、【安全】 子どもからお年寄りまで安心して暮らせる町にしましょう。
一、【土地】 土地は投機の対象とせず、生活のための基盤としましょう。

  平成十二年三月二十七日 
谷中地区町会連合会・下谷仏教会・谷中コミュニティ委員会

●安心、楽しい、谷中暮らしの不文律
古くから人が住み合うまちには、安心して楽しく暮らすための不文律があります。1970年代の谷中の路地で聞かれた暗黙の暮しの作法。今でもしっかり引き継がれているところも多いのではないでしょうか。

安心、楽しい、谷中暮らしの不文律
1.挨拶は必ずする。
2.道の掃除はお隣の玄関まで。
3.子どもの面倒をみてあげる。
4.留守居番をする。時にはおかずのお裾分けも。
5.おしゃべりは小声でしない。(悪口を言っていると思われないように!)
そんなまちはたいてい植木棚がきれい。
(暮しに手をかけ、見守り合う関係が育まれている。)
            1970年代、谷中の路地調査で伺ったお話より

●谷中三崎坂地区建築協定
平成12年、三崎坂のマンション建築見直し運動の結果、谷中三崎坂の両側にわたって、土地建物地権者の協力合意により、地域主体の建築ルールとしての「建築協定」が策定された。建築物は、道に面した手前は4階の高さ、奥に行ってから階高をあげ、最高でも6階までとし、寺院の建築物は伝統的な寺院建築の屋根勾配を活かしたものとする条文が盛り込まれた。色や素材についても、寺町谷中になじむものとしている。
 

●都市計画道路見直しへの提言
平成16年4月、東京都・特別区による「区部における都市計画道路の整備方針」が策定され、谷中地区を貫く都市計画道路のうち、補助92号、補助178号、補助188号の3路線が、「地区のまちづくり計画にあわせて見直す路線」に選定された。
 谷中地区は江戸東京の都市の町割、道筋を残す歴史的地区であり、地域主体のまちづくりが行われていることから、交通量の配分等も鑑みて、適切な道路規模や交通規制等について見直していくことになっている。平成16年1月、谷中地区町会連合会・谷中地区まちづくり協議会からも、同整備方針についての意見書を提出した。地域としては、現在の道路や町並みを活かしながら、交通安全や防災の対策を向上していく方法を区や都とともに確立していきたいと願っている。その後、平成21年まで、台東区の谷中地区まちづくり事業の一環で検討されていたが、平成22年以降、検討の場が設けられていない。今後は谷中地区の道路とまちの環境のあり方について、都や区と地域がともに検討していく場を設けることが望まれる。

〈谷中を守るまちづくりのしくみ〉紹介

●町並みを整える
◆「地区計画」
良好なまちなみの形成・保全を図るために、住民と区とが協力して策定するまちづくりのルールです。 道路・公園の配置や建築物の形態について地区の特徴に応じてきめ細かく定めます。
◆「建築協定」
自分たちの住むまちの居住環境や商店街の活性化のため、建物の形態意匠や用途について全員合意でルールづくりを行います。地域の環境保全や魅力と個性あるまちづくりを推進します。
◆「景観計画、景観協定」
景観法や台東区景観まちづくり条例に基づき、区域の建築物の所有者や管理者が協定を結び、積極的な景観まちづくりに努めます。地区を定め、景観重要建造物や地域風情資源などの保全策を支援します。

●緑を守る
◆「保護樹木、樹林」
台東区内の貴重な緑の保護支援するため選定した樹木や樹林に標識を付け、保険の加入や管理費の助成をします。

●まちの歴史や文化を守り活かす
◆「国登録有形文化財」
築後50年以上建った建造物や塀、民俗資料で文化的価値が明らかなものについて、まちの宝として国の文化財に登録できます。地価税、相続税などの減免があります。
◆「歴史まちづくり法・歴史的風致維持向上計画」
ハードソフトを含めた歴史的風致を守り、向上する計画を支援します。歴史ある建物や塀などの保全支援策があります。(重要文化財を核とした一帯の地域を保全します。)
◆「伝統的建造物保存地区」
伝統的建造物等の連担する地区を指定し、伝統的建造物の修理や地域の景観にあわせた建物の修景基準などを定めます。まちの防災力を高めるための防災計画も策定します。

●災害に強いまちをつくる
◆「住宅市街地総合整備事業(密集住宅市街地整備)」防災広場や防災コミュニティセンターの整備、道路の拡幅、老朽木造住宅の建替えや共同化等により、地区の防災性を高める事業です。路地文化や木造住宅・寺院の保全との両立する工夫が必要です。
◆「二号消火栓の整備」
普通の消火栓は専門家でないと操作できませんが二号消火栓は老人や女性でも操作ができます。路地や木造の多いまちでも自分たちで守りやすくなります。

この他、いろいろな制度や事業があります。谷中にふさわしい支援策を組み合わせていくとよいでしょう。

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